総務省の統計から労働市場について分析してみた

今回は日本の労働市場について統計データを元に分析してみたいと思う。

総務省厚生労働省の統計を参照。最新のデータが2020年3月分の結果となるが、その点はご了承いただきたい。

 

【目次】

 

 

参考資料

 ①総務省
労働力調査(基本集計)2020年3月分
総務省統計局 労働力調査 2020.4.28公表
URL:http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

 ②厚生労働省 
一般職業紹介状況(令和2年3月分及び令和元年度分)について
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00034.html

 

分析結果 

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主だった特徴は下記の通り。

(1)完全失業率
159万人(2.5%)
+2万人(対前年同月)

(2)就業者・雇用者
就業者・雇用者ともに87か月連続の増加
総数は増加傾向のまま

(3)自営業主・家族従業者
-40万人(対前年同月)
直近3ヶ月で見ても減少幅が
大きくなっているのが分かる

(4)正規及び非正規の職員・従業員
正規   +67万人(対前年同月)
非正規 -26万人(対前年同月)

(5)産業別就業者
①増加傾向の著しい産業
「医療、福祉」  +40万人(対前年同月)
運輸業、郵便業」+12万人(対前年同月)

②減少傾向の著しい産業
「製造業」        -24万人(対前年同月)
「宿泊業、飲食サービス業」-14万人(対前年同月)
「教育、学習支援業」   -11万人(対前年同月)


2020年3月までのデータを見ても労働市場が大きく変化
しているのがみてとれる。
(恐らく2020年4・5月はこの増加・減少の幅がさらに拡がるだろう)

原因としては新型コロナウイルスの影響が大きいのはいうまでもない。
終息の目途はみえないが、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥教授・所長でさえ、自身の立ち上げたサイトで1年は続く可能性があると明言されているくらいなので、今後数年間はこうした状況が続くとみてまず間違いないだろう。

 

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一方、厚生労働省有効求人倍率(季節調整値)では、2020年3月が「1.39倍」
前月より0.06ポイント下回ったものの依然として働き手が足りていない状態だ。

 

私たち労働者は何を考えるべきか

会社員なら「独立」して新しい事業を興すか、或いは「転職」を視野に入れるべきだ。
前者は万人にできるわけではないので、現実的な線でいうなら「転職」だろう。

特に上記(5)②の産業で働いている方は真剣に考えてみてほしい。産業別でみてもこれだけ偏っているのだ。

今まで仕事で培ってきたスキルや地位、年齢、収入もあって判断に迷うかもしれないが
早いところ働き手が足りていない別の業界へ転職した方が良い。

まずは自身や家族の命が最優先だ。この騒動が落ち着いてから元の会社(或いは業界)へUターンしたっていい。

また収入の柱を増やすという意味では副業を検討するのも有りだろう。 

 

不安を煽るニュースが連日流れている。それを見て

"ただ漠然とした不安"を抱いているだけでは何も変わらない。

統計も然り、今置かれている状況を出来るだけ数値化してみると問題点が浮き彫りになってくる。同時にちょっとだけ冷静になれる。

そうした確かな情報を自身の中に一つの視点として取り入れ行動していくことが重要だと考えている。

 

 

 

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